研究室概要
有性生殖は、オスとメスの細胞が出会い、遺伝情報を合一させて次世代へと命を繋ぐ過程であり、多段階の雌雄間コミュニケーションによって制御されています。同種同士での受精を保証する精密性と変化を許容する柔軟性を併せもっており、種の維持と変化において重要な役割も果たしています。私たちの研究室では、被子植物の有性生殖の研究を通じて、“種のアイデンティティー”が維持・変化する原理を理解するとともに、操作技術を開発して新しい植物育種法を創出することを目指しています。主要な研究トピックとして、オスとメスの細胞が出会うための仕組みである「花粉管受精システム」と、出会った後の仕組みである「雌雄染色体の維持」の研究に取り組んでいます。
分子遺伝学・生理学・ライブイメージングなどの解析技術を基盤とし、ゲノム編集やケミカルバイオロジーなどの先端技術も組み合わせて、多角的な視点で研究を展開しています。実際に育成して研究に用いてきた植物は、シロイヌナズナ、セイヨウミヤマハタザオ、ナズナ、マツヨイグサ、タバコ、トレニア、トマト、イネ、スイレンなど多様な被子植物です。
当研究室は2025年にスタートした研究室です。この東京大学・駒場キャンパスから、ユニークかつ最先端の植物科学・バイオテクノロジー研究を切り拓き、発信していきます。一緒に研究を進める学生、研究員、技術補佐員を随時募集していますので、興味のある方は気軽にご連絡ください(募集)。